“ふく式家計簿”のススメ (2) 単式簿記と複式簿記
前回は“ふく式家計簿”のメリットとデメリットについて書いたので今回は単式簿記(ふつうの家計簿)と複式簿記の違いを見ていきます。
複式簿記は難しくない
まずはじめに「複式簿記」というと難しそうに聞こえますが、実際はそうでもありません。
個人的にはすべての家庭が複式簿記で家計の状況を管理すればいいと思っています。学校でも遅くとも高校ぐらいで社会科の経済の勉強と併せて家庭科かなんかで複式簿記を教えるべきだと考えています。
複式簿記が難しかったのも今は昔。基本さえわかってしまえば今は専用のソフトやオンラインサービスで簡単に入力することができます。しかもそれによって得られるメリットは少なくありません。
今回はとりあえず普通の家計簿と複式簿記のなにが違うのか考えてみます。
家計簿は単式簿記
まず、一般的に家計簿と呼ばれるものは単式簿記という方式です。家計簿の場合、「現金」についての収支だけを記録していくので単式というわけです。
たとえば1万円のお給料をもらって、スーパーで1000円の買い物をしたとすると家計簿には次のように書きますね。
日付 | 摘要 | 収入 | 支出 | 残高 |
---|---|---|---|---|
2015/2/10 | 2月分給料 | 10,000 | 10,000 | |
2015/2/17 | スーパー | 1,000 | 9,000 |
では、複式簿記とはなんでしょうか?Wikipediaによると
複式簿記(ふくしきぼき、英: Double-entry bookkeeping system)とは、簿記において、全ての簿記的取引を、その二面性に着眼して記録していき、貸借平均の原理に基づいて組織的に記録・計算・整理する記帳法のことをいう。
とあります。なんのことかさっぱりですね(笑)
少しシンプルに表現すると1つの取引に2つの側面があると考えて、その両面を同時に記録していくこと、を言います。
たとえば先ほどの例で言えば、
- 「給料をもらう」=「現金の増加」&「収益の発生」
- 「スーパーで買い物をする」=「現金の減少」&「費用の発生」
といったように1つの取引に2つの側面がある、と捉えます。
実際に起こっていることに変わりはなく、あくまで捉え方が違うだけなので「こう捉えるんだな」という柔軟な考えをすることが大事です。
これを複式簿記で記録すると下表のようになります。
日付 | 摘要 | 左 | 右 | ||
---|---|---|---|---|---|
2015/2/10 | 2月分給料 | 現金 | 10,000 | 給料(収益) | 10,000 |
2015/2/17 | スーパー | 食費(費用) | 1,000 | 現金 | 1,000 |
左・右とか現金とか食費とかが追加されて少しややこしくなりました。まぁいろいろと決まりはあるのですが、とりあえず1つの取引(1行)が2つの側面で記録されていることはわかると思います。
こうやってややこしくして何が嬉しいのかは次回以降で紹介するとして、とりあえず「複式簿記ってそんな感じなんだ、へー」ぐらいに理解していただければOKです。
コメント
興味深くふく式家計簿について拝見しました。続きを楽しみにしています。