バランスシート(貸借対照表)や損益計算書の借方と貸方の話
簿記の世界では頻繁に借方・貸方という言葉が登場します。
この言葉は会計で必須な2つの表、バランスシート(貸借対照表)と損益計算書の左側と右側を表すものです。
翻訳したのは福沢諭吉
Wikipediaによればこれらを借方・貸方と名付けたのは福沢諭吉だそうです。
日本に初期の複式簿記と中央銀行システムを輸入したのは福沢諭吉で、「debit」・「credit」をそれぞれ「借方」・「貸方」と翻訳したのは彼である。
そう、実はこの借方と貸方、英語でも同じ意味の言葉、debitとcreditが使われています。だから福沢諭吉の和訳は正確だったわけです。
今は特別な意味はない
しかしWikipediaにも
初期の財務諸表や複式簿記は債権・債務を記載する目的が主であり、主に銀行の経理で使用されていた。それを相手方から見た視点で記録していたため、借方には相手方が借りた分を記載しているという意味があった。
時代が下り、簿記技術が発展し記録する内容が金銭の貸借関係から拡大していくにつれ、単なる「左側」という意味のみの符号と化した。
とあるように今は単に「左側・右側」を表す言葉になっています。
にもかかわらず未だこの借だの貸だのといった単語が使われているために初心者にとっては非常にわかりにくく、簿記のとっつきにくさを増しています。個人的にはもはや「左・右」に変えればいいと思うのですが、慣習のせいで昔から簿記に携わる方々は変えることに抵抗があるのかもしれません。
このような経緯から私が人に複式簿記を紹介するときはできるだけ左・右というようにしています。
デビットカードとクレジットカード
今世の中にはお金の代わりに使えるいろいろなカードが存在しますが、バランスシートからそのままもってきたような名前がデビットカードとクレジットカードですね。
デビットカードはバランスシートの左側にある資産(預金)から支払われますし、クレジットカードで払った分はバランスシートの右側にある負債に計上されます。