残り50万円、2015年度NISA枠の憂鬱
毎年100万円までの投資額に対する5年間の運用益が非課税となるいわゆるNISA(少額投資非課税制度)。個人投資家の方々は昨年度からはじまったこの制度を利用している人も多いでしょう。
しかし、私のようなフツーの個人投資家にとってはこの年100万円というのはけっこう大きな割合です。私の現在の投資総額でも7~10%程度を占めていますので、この100万円をどのアセットクラス(株式か債券か、国内か国外か)で保持するかによって、ポートフォリオ(資産比率)がけっこう大きく変わることになります。
NISAは来年、2016年度から120万円に増額されますので、そうするとそのインパクトもまた少し増すわけです。
目次
残りの50万円をどこに投資すべきか
さて、そんなNISAですが、実は私、今年はまだ50万円分枠が残っています。というのも今年は年初にTOPIX ETFを50万買い増したのですが、そのとき少々預貯金が少なかったことが不安に思って、リスク資産への投資を躊躇してしまったのです。
2014年度は一気に100万円投資してしまったので、気楽でしたが、今年2015年は7月になってもまだどこに投資すべきか悩んでいます(^^;
先日まとめた7月のポートフォリオを再度紹介します。
クラス | アセットアロケーション (目標比率) |
2015年7月 | |
---|---|---|---|
割合 | 乖離 | ||
日本国株式 | 15.0% | 17.4% | +2.4% |
日本国債券 | 28.0% | 22.5% | -5.5% |
先進国株式 | 25.0% | 30.3% | +5.3% |
先進国債券 | 7.0% | 5.1% | -1.9% |
新興国株式 | 24.0% | 23.8% | +0.2% |
その他(REIT等) | 1.0% | 0.9% | -0.1% |
依然として先進国株式の比率が高く、国内債券(預貯金と国債)が少なくなっています。つまりポートフォリオが示しているのは「貯金せよ」というメッセージなのです。実際、この50万をリスク資産に配分すると日本国債券クラスは20%を切ってしまいます。
しかし!NISA枠を無駄にしてしまうのももったいない。で、どこに配分すべきかを悩んでいるのです。
候補1)日本国株式
日経平均が2万円を突破し、日本の株式市場は上昇基調ですが、これがどこまで続くかは神のみぞ知るところです。東京オリンピックの手前までは上昇余地があると見込んで買い増すのも一つだと思っています。
しかしそろそろ「はじける」という意見も多いので、なかなか不透明な部分もあります。
候補2)先進国株式
なんだかんだ言っても米国をベースとする先進国株式は堅調ですので、ここにさらに投資するというのもありえます。ギリシャのデフォルトでまだまだ揺れると思いますが、長期的に見れば上昇するでしょう。
候補3)新興国株式
新興国株式は中国が頭打ちなところもあって、軟調です。今のところ日本や先進国から出遅れているので、将来を見込んで買い増しておくのもいいかもしれません。
日本と米国のリスク・リターン比較
下の図は米国株式(S&P500指数)、日本株式(日経平均株価、JASDAQ)、さらに全世界ETFであるVTの変化を表したものです。すべて2010年初めの値を1としたものです。
2010年~現在の年次リターンとリスク
試しにこの期間について、S&P500、日経平均株価、VTのリスク(年次リターンの標準偏差)を計算してみると下表のようになりました。(年次リターンの計算にはすべて毎年6月末の株価を使用しました。)
年次リターン (過去6年平均) |
年次リスク (過去6年標準偏差) |
|
---|---|---|
米国(S&P500) | 15.1% | 8.6% |
日本(N225) | 15.0% | 22.1% |
VT | 10.9% | 12.4% |
まず発覚したのは米国株式の恐るべき安定度(笑)。日本株式と同じリターンにも関わらず、米国株式のリスクは半分以下。まぁ為替リスクは含んでいませんが。さらに広い範囲に投資しているはずのVTよりリターンでもリスクでも優っているという結果になりました。
S&P500とダウ・ジョーンズ工業株価平均やNASDAQ総合株価指数の相関関係は99.5%なので、米国全体として見て差し支えないと思います。
結論:アセットアロケーションを見なおそう
改めて考えて見るとこれ以上国内株式に投資するのは、いたずらにリスクを増加させるだけ?、という気がしてなりません。新興国もかなりリスクが高くなるので微妙です。
そもそも現在のアセットアロケーション(目標資産比率)はここまでのリスク・リターンの差を考慮していませんので、そもそもイマイチなのかもしれません。
ということで先進国株式に投資する方向でアセットアロケーションをもう一度見なおしてみたいと思います。