日経ヴェリタス2015年8月16日にちょっとだけ掲載されました
日経ヴェリタスの記者の方からブログ経由で問い合せをいただき、取材を受けたので投資遍歴やアセットロケーションなどの話を送らせていただいた。昨日掲載誌が送られてきた。2015年8月16日号だ。
賢い分散投資 米利上げ・中国減速で変わる潮目 :日本経済新聞
なぜかオルタナティブ推しな記事
今回の日経ヴェリタスの記事では、分散投資を推しており、その中にはいわゆるオルタナティブ(不動産、金、商品、ヘッジファンドなど)が含まれている。
タイトルは「賢い分散投資」なのだが、実際に分散投資をしている個人投資家の観点から言えばあまり「賢い」とは言えない。 私が取材を受けた内容も本意が伝わってなさそうなので、少々残念だ。
1面から2面、4面は、年金基金やトヨタなどが伝統的資産(株式と債券)に加えてオルタナティブにも投資しているから個人もそれをベースに考えたほうがいいというような論調である。
オルタナティブに投資するべきか?
問題は、それらのアセットクラスにおいて「個人が投資可能な実際の金融商品」について、言及されていないことだ。そのため、当然個々の商品について回る「コスト(信託報酬や売買手数料など)」が考慮されていない。また、「オルタナティブ」という言葉の曖昧さも誤解を生みそうだ。
オルタナティブの金融商品は、いくら相関が低く、期待リターンが高いとしても、コストの高いものが多いため、現時点ではそもそも個人投資家の投資対象として考えにくい。
伝統的資産である株式や債券にはコストの低いもの、つまり信託報酬も1%未満で売買手数料もかからないものが十分に存在するため、個人投資家の投資対象として有力だ。
この記事を見て、「あ、オルタナティブを買えばリスク下がるんだ」などと早合点して、金融機関に相談にいく個人投資家がいないことを願う。個人投資家向けの記事を書くなら、ぜひとも個人投資家が売買可能な現実の商品を念頭におき、コストも考慮していただきたいと思う。
個人的にも気になったので、近いうちオルタナティブの金融商品について相関やコストを調べてみたい。